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ITスキル・知識習得の次の一手 - 実務に役立つ研修スタイル3選
IT技術は生成AIを筆頭に高度化が進み、進化のスピードも日々早まっていく中で、IT技術のキャッチアップやスキルアップは企業が取り組むべき重要なテーマのひとつです。
一方で、IT技術のキャッチアップ、スキルアップの方法は情報収集や資格取得など知識を取り込む”インプット”が主体になりがちです。本ブログでは事業会社や組織の人材育成・研修担当の方向けに、インプットにとどまらない実務に繋がる研修スタイルを3つご紹介します。
1. OJT(On the Job Training)
習得した知識を実際の業務に取り組みながら確認、試行し活かしていく取り組みです。業務の流れに沿って得た知識から必要な箇所を取り出し、適用していきます。実務とのギャップを高い精度で確認でき、自己のノウハウとして知識を蓄積できるメリットがあります。

OJTでは初めての業務に取り組むことが想定されるため、サポートする先輩社員の存在が不可欠です。わからないことや手が止まる場面に適切なアドバイスを授けるなど、当事者の心理をなぞって業務の完遂に導く役割が求められます。
また、業務の一環なので初めてやることにもかかわらずリスクの大きい試行が難しく保守的な判断になりがちです。書類作成など確立された手順のある定型業務に向いている反面、顧客対応や商品企画など相手のいる業務や探索など不確実要素のある業務の場合、一度のOJTでは不完全になりがちなケースもあります。
取り組むの業務の特性や先輩社員による十分なサポート有無を見極めて効果の上がるOJTを設計することが重要でしょう。
2. ロールプレイ
ロールプレイは、架空の業務課題を設定し擬似的なプロジェクトや案件として与えられた役割に取り組む研修です。成果物を伴う業務であれば成果物を評価し、なければ無形サービスや役務を実演し評価しましょう。実務に近い課題を設定することでOJT相当の体験を再現できます。OJTと同様に、先輩社員のようなサポート役がつく形態が望ましいです。
課題を複数用意することで、様々なタイプの案件を経験したり、苦手な業務を集中的に反復して鍛えるなど効率良く業務経験を積めることが強みです。また、実業務ではないので、リスクを伴う判断をはじめ様々なバリエーションを試行できるのも良いところでしょう。OJTでは割り当てる業務が入門/作業者レベルに限定される一方、ロールプレイではリーダーや判断が求められる役割も体験できる点がユニークと言えます。

必ず結果の伴うOJTとは異なり、ロールプレイは取り組みとしての成果物を何にするかやどこまで実業務を再現するのかなど研修の輪郭が曖昧になりがちなので、ロールプレイの目標や評価ポイントを事前に設計し、受講生とサポート役によく意識付けすることが重要です。
3. アウトプット
スライド資料、ブログ記事など得た知識をなんらかの形にアウトプットする研修プログラムです。
アウトプットというと研修の報告書やレポートとして上司への報告目的でのまとめを想起されると思いますが、オススメは勉強会やLT(ライトニングトーク)大会など、参加者同士で見せ合うことを目的としそのような場をセットすることです。言い方を変えると、アウトプットの質は求めず、アウトプットする成功体験を求める建て付けがおすすめです。

上司の方がそれらの会に参加いただくのは大賛成ですが、フィードバックは厳しいものよりもアウトプットすること自体に価値をみとめ、リスペクトするのを前提としたコメントが良いでしょう。
コーチングのすすめ
今回ご紹介した3つの研修スタイルに共通して言えることは、先輩社員やサポート役はコーチングのアプローチで受講生を指導するのがおすすめです。得た知識をこれらの研修で自己のノウハウとして落とし込むためには、ティーチングの外的なアプローチよりも内発的動機づけのアプローチが有効です。壁打ちやフィードバックの機会を設け、指摘よりもアドバイス、ヒントを与えるコーチングによる指導が効果的でしょう。
まとめ
本ブログでは実務に繋がる研修スタイルとして、OJT、ロールプレイ、アウトプットの3つをご紹介しました。
これらの研修はクラスメソッドやプロパゲートの社員研修はもとより、研修/コンサルサービスとして顧客にもご提供しております。みなさんの人材育成の取り組みにご活用いただければ幸いです。
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