test#3 「興味のある業界や内容から案件を選び、モチベーションアップを重要視」 - 岡春奈さんインタビュー

IT業界のフリーランスの方に役立つ情報を共有するためのイベント「フリーランストーク」のインタビュー記事です。提供するCMパートナーズはフリーランスの方にクラスメソッドや事業会社の案件を紹介するマッチングサービスです。
IT業界では今、独立を検討されている方や、実際にフリーランスとして活動される方々が増えてきています。そんな皆さんと、フリーランスに役立つ情報を共有するイベント「フリーランストーク」。次回、2023年9月21日開催回に登壇していただくのは、サーバーレス領域を中心にエンジニアとして活躍している岡 春奈さんです。
 
岡さんはエンジニアのキャリアをSESからスタートし、クラスメソッド社を経て独立。現在は、以前から興味があったというtoC向けのサービスを中心に開発業務に携わっています。「フリーランストーク」登壇に際して、岡さんへこれまでのキャリアの変遷や今後の展望まで、詳しくお話を伺いました。
 

フリーターからエンジニアに転職し、フリーランスへ

 
── これまでのキャリアや、現在の仕事について教えてください。
 
岡:18〜22歳頃まで、大学には行かずにアルバイトをしていました。特にやりたいことが無かったので色々なバイトをしていたのですが、バイト先のお客さんにエンジニアの方がいて、仕事内容に興味を持ったので転職しました。SESの会社で1年働いてからクラスメソッドに移り、3年半働いた後にフリーランスになって、2年程経ちました。
 
SESでは客先に常駐して、社内システムの運用保守を行っていました。開発業務に関わっていたわけではなく、社内システムの運用を効率化するための簡単なスクリプトを書く程度でした。ちゃんと開発業務に関わりたいと思い、クラスメソッドに転職しました。
 
クラスメソッドには、当時盛り上がっていたAlexaの開発事業部にジョインしたいと思い応募したのですが、面接時に「Pythonを書きたい」と話したら「それならサーバーレス開発部はどうですか」と進められ、サーバーレス開発部へ配属になりました。フリーランスになった現在も、主にサーバーレスに関する案件を中心に仕事をしています。
 
── フリーランスになったきっかけを教えてください。
 
岡:いくつか理由はありますが、一番大きかったのは家庭の事情です。家族2人が大きな病気で長期入院をすることになって、自分しか面倒を見られる人がいなかった。シンプルに言えばお金と時間の両方が必要になったので、自分がフリーランスとして独立できたらそれが一番うまく回ると思いました。クラスメソッドは好きな会社だったので辞めるのは不安だったのですが、以前からフリーランスに興味があったので挑戦してみることにしました。
 

関わる案件を自分で選べるのがフリーランスのメリット

 
── フリーランスになって会社員時代と比べて一番変わったことは何ですか。
 
岡:toCのサービスを提供しているスタートアップの開発案件に多く関わるようになったことです。クラスメソッド時代はtoB向けの開発案件に関わる事が多かったのですが、toC向けのサービスの開発に関わりたいと思っていたので、案件を受ける時にtoC向けサービスを選ぶようにしています。スタートアップを選んでいるのは、業務委託でも裁量を与えてもらえることが多いからです。
 
今関わっている案件は規模が小さいこともあって、仕様自体に意見を言えるのも魅力的な点です。実装する機能の優先度について、自分の意見を伝えると通ることも多いです。
 
また、toC向けサービスに関わるようになって、ユーザーからのフィードバックが返ってくることも増えました。「ユーザー体験が良くなったね」と社内の人から声をかけてもらったり、実際にアクセス数が増えているのを見せてもらうのは嬉しいですし、視点が変わったと思います。
 
他には、既にローンチされているサービスの継続開発に関わることが多くなりました。そこで新たにA/BテストやDBのマイグレーションなどの経験をすることができました。新規開発は社員が担当して、業務委託は既存機能の保守運用をするという役割分担が多いのではないでしょうか。
 
── 岡さんはフリラーンスエージェントを利用していると聞いています。それはどんな基準で選んでいますか?
 
岡:独立した当初は仕事の紹介をしてくれる人脈が無かったので、エージェントを利用するしか選択肢がありませんでした。
 
スタートアップの案件に強いエージェントと知人から紹介してもらったエージェント、今はこの2社から5割程度の案件を受注しています。多くのエージェントは、プログラミング言語など技術スタックで案件を絞っていくケースが多いように思いますが、業界を絞って案件探しが出来るエージェントが見つかったことが、自分にとっては良かったですね。
 

案件選びの基準は「業界・単価・技術スタック」

 
── 案件を受ける際に、気をつけていることはありますか。
 
岡:独立した当初は、案件内容や興味がある業界からの仕事であるかどうかについて、とても重視していました。そのため非常にモチベーション高く取り組めていました。ただ案件と自分の技術スタックが噛み合わず、開発経験のない言語を2つ同時に勉強することになってしまったりもしたんです。自分のパフォーマンスが最大化出来なかったことは、当時の反省点です。
 
それ以来、案件を受ける際には自分が興味を持てるかどうかということだけでなく、技術スタックについても気を付けるようになりました。並行して複数の案件を受ける場合、開発経験の無い言語の仕事が重ならないようにしています。
 
今は、業界・単価・技術スタックという3つの視点で見るようにしています。
 
── 自分が出来ることと、自分に求められること。この2つにギャップを感じることはありませんか。
 
岡:フリーランスになってからは顧客との期待値の調整を単価設定のタイミングで必ず行うようにしています。そのほうがお互い精神衛生的に良いと感じています。自分が得意な領域でパフォーマンスを発揮できる案件は単価を高めに設定しますし、一方で技術的なキャッチアップが必要な案件は、その事をまず正直に話して、他の案件に影響が出ない範囲で学習時間を意識的に設けるようにしています。
 

フリーランスになって、以前よりモチベーションを管理しやすくなった

 
── 最後に、独立を考えているエンジニアや、「フリーランストーク」参加者へのメッセージをお願いします。
 
岡:私は、フリーランスになってからの方が、モチベーション高く働けるようになったと感じています。興味のある業界や自信がある技術スタックを選んで案件を受けられますし、自分には向いていないと感じていたマネジメント業務等をやることもなく、得意な仕事に集中できるようになりました。
 
ただ健康管理は、意識的に気を使わなければいけなくなったと思います。体調不良で仕事が出来ず、収入が半分になった月もありました。そういった事もあり、以前より運動するようになりました。健康診断をきちんと受けたり、良い椅子を買うなど作業環境の整備も、フリーランスにとって重要なことだと思います。
 
2023年9月は、21日に開催するこの「フリーランストーク」以外に、23日開催のサーバーレスアーキテクチャについて学びあうコミュニティイベント「ServerlessDays Tokyo 2023」にも登壇予定です。会場はクラスメソッドが提供しています。興味のある方は是非参加して下さい。
 
── ありがとうございました。「フリーランストーク」イベント当日は、参加者の皆様からの質疑応答の時間を予定していますので、新たなお話が伺えることを楽しみにしています。
 
フリーランストーク」はこの記事でインタビューに答えてくださった岡さんに、ご自身のキャリアについてご登壇頂き、Q&Aを設けることで、参加の皆さまのキャリアに少しでも役立つように設計されたリモートイベントです。ぜひご参加ください。