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4期目の後半に向けての考察

私たちの事業は、現在4期目の後半に差し掛かっています。これまでの道のりを振り返ると、1期目では立ち上げ準備、2期目で事業をスタートさせ、3期目には安定成長を実現しました。しかし、4期目の前半は「踊り場」とも言える状況に直面しています。この踊り場の要因は、受発注者間のニーズのズレに起因しており、特に発注者側がオフィス回帰を進めていることが影響しています。リモート案件の数自体が減少する傾向にあると考えられます。
このような状況を受けて、私たちはエージェント業とは何かを再考する必要があると感じています。フリーランスの方々は多様であり、それぞれに必要な要素も異なります。フリーランスにとって重要なのは、ハード面でのスキルと、ソフト面での営業力です。ハード面ではニーズが見込める分野での専門性が求められ、ソフト面では交渉スキルやクライアントの数が重要です。
もしハードとソフトの両面で十分な資産(能力)を持っている場合、エージェントは不要かもしれません。しかし、ソフト面に不安を抱えている場合は、エージェントのサポートが役立つでしょう。一方、ハード面での不安がある場合は、立ち回りを変える必要があります。会社員としてスキルを再構築する選択肢もありますが、果たしてそれが正しいのかという疑問もあります。
フリーランスとして活動していくためには、投資の観点を持つことが重要です。生活に必要なお金や投資した分の回収、将来のキャリアを見据えた資金の確保など、さまざまな要素が単価に影響を与えます。
さて、フリーランスエンジニアという職業はどれほど続けられるのでしょうか。長く続けられる人、会社員になる人、起業する人、さらには全く異なる職業に転職する人など、さまざまなケースが考えられます。しかし、社会的なITエンジニア不足が続いており、企業は優秀なエンジニアの確保に苦労しています。20年ほど前、多くのIT企業がフリーランスとの契約を避ける方針を打ち出しましたが、実際には契約会社を介するだけで、効果的な対策とは言えませんでした。
現在では、フリーランスエンジニアと契約する企業は増えており、偏見も減ったように思います。正社員にこだわっていると、優秀な人材を確保できない現実があるのです。また、独立してフリーランスになり、それから会社員に戻るケースも増えていくでしょう。会社員を続けながら複業としてフリーランスも選択される方もいます。キャリアは人それぞれです。このような社会において、私たちプロパゲートはエージェントとしてどのように存在すべきかを真剣に考えています。
フリーランス時代のエージェントとしての役割は既に果たしていますが、ハード・ソフト両面で十分な資産を持つ方々にも価値を提供できる施策を展開しはじめています。さらに、フリーランスから会社員になる際には、職業紹介免許を持つ私たちがスムーズな転籍を支援できる体制を整えています。
年齢が上がると、会社員としてエンジニアを続ける際にマネジメント経験が求められることがあります。この点においても、何かしらのサポートができないか模索中です。
私たちの目指すところは、1年や2年の関係ではなく、その人の10年後、20年後を見据え継続的つきあっていただける事業でありたいと考えています。
さて、話は変わりますが、会社の寿命は儚いものです。プロパゲートも3年目にしてようやく安定成長のフェーズに入ったものの、未来は不確実です。企業は出資者の意志によって存続するものであり、収益に課題があればいつでも「やめる」という決断が下すことが可能です。
一方で、人間の寿命は組織の寿命と比較すると長いことが多く、収益に課題があっても人生は続きます。事業責任者の私が言うのもおかしな話ですが、企業の存続は1人の人生に比べれば大したことではありません。会社がなくなっても人生は続きます。
だからこそ、プロパゲートに関わるすべての人がより良い人生を送るために、私たちは何ができるかを真剣に考え、事業を通じてその思いを表現していきたいと思います。