[プロパゲートのマネジメント]モチベーションの源泉は参加意識。全体定例会議を見直してみましょう

「全体定例会議」から連想するものは何でしょうか?
「全体」というだけあって参加者数も多く、時間も長くなりがちで、それでいて発言する人は限られている。内職をしている人もちらほら。内職をしている人は会議の内容を聞いていなかったりするので、あとになって「この件どうなりましたっけ?」「この間の全体定例で方針決まりましたよ」みたいなやりとりが発生し、何のために全員集まって会議をしているのか?と疑問をもってしまう。それだったらメールやチャットでお知らせすれば良くない?と思う人も現れる…。こういった全体定例会議というのは案外多いのではないかと思います。
プロパゲートは、グループ内を部門横断的な集まりとして立ち上げた経緯があるので、参加者数が20名前後になることもありました。主業務として多くの時間をプロパゲートに使っている人もいれば、特定のファンクションとしてちょっとだけ関わっている人もいる。関わりの度合いは人それぞれだったりします。
様々な人が参加しつつも、せっかく参加してもらっているのだから、どうしたら会議の時間が楽しくなるか? 全員が参加意識をもつにはどうしたらいいか? 内職せずに会議の内容を把握するにはどういたら良いか? 積極的な参加を促すにはどうしたらよいか?
そして、内職をするのは業務を抱えて忙しいからという背景があります。いまこの時間は内職をやめて会議に集中してください、というのなら会議の時間はなるべく短いほうが良い。なので、わかってもらうために一つ一つの共有や報告を詳細にして、会議の時間を長くするというのは良いアプローチではありません。そして忙しいのですから、会議の準備に時間がかかりすぎるのもNGです。
集中力が途切れる原因として、わからない話がでてきて会議の流れについていけなくなる時、という状態もあると思われます。わからない話は自分と関係がないから真剣に聞く必要がないと勝手に思い込んでしまう。
課題をつらつらと書きましたが、会議のやり方を見直して達成したい状態は下記になります。
要点を絞った内容
  1. なるべく短時間で終わる
  1. 発言の機会がある
  1. 手間暇はなるべくかけない
対策としては3つ
 
「1.要点を絞った内容」
全体定例会議は様々な役割の人が参加し、自分以外の担当者が何をしているのかを知る機会でもあります。が、自分自身がその担当者ではないため、細かな活動まで把握する必要はありません。覚えられないし、覚えようとしたら過負担です。
そこで、ここはシンプルに「定量的な内容」にフォーカスし、他の担当者は状況が良いのか悪いのかだけ把握できれば良しとしました。
なので「今週、このお客さんに電話をします」みたいな報告はご法度としました。そのレベルの活動は他の担当者が把握する必要は少ないし、これから◯◯をしますは結果ではありません。
 
「2.なるべく短時間で終わらせる」
要点が絞れたら、会議の時間を短くすることができます。
サマリーさえ押さえられれば目的は十分果たせるので、15分もあれば3〜4チームくらいは報告可能です。
 
「3.発言の機会がある」
発言の機会があるとわかればほとんどの人は発言のための心の準備をします。感想を聞かれるとわかっていたら会議の内容に集中します。
そこで、前半15分の共有の時間が終わったら、Google Meetのブレイクアウトルームの昨日を使って、一組あたり3〜5名にわけて感想戦を行います。そして感想戦が終わったら全員で集まって、各組でどんな話をしたのか共有します。
参加意識を強める効果は当然ですが、参加者全員からフィードバックがもらいやすくなると思います。
例えば、Aチームから「◯◯案件が順調です」もしくは「難航しています」といった報告があったとします。感想戦でBチームの人から「順調で良かったです」もしくは「難航していると聞いて心配です」といった感想がでます。そしてこれを全体にもどって共有します。
会議あるあるですが、報告に対してコメントをするのはファシリテーターを兼ねる責任者だけで、他の人はなにか思ってても何も言わない(言いづらい)みたいなことがあったりします。それが全員を前にしたら尚更言いづらい。小さな組にすることで発言をしやすくし、報告をした人は責任者以外からもフィードバックを受け取りやすくなる。場合によっては支援もしやすくなり、組織全体のコラボレーションが強化されやすくなります。
 
「4.手間暇はなるべくかけない」
これはシンプルで、会議が終わったら、次回の議事録のページを作成し、進捗があったらその新しい方の議事録のページを更新する、といった簡単なルールです。こうすることによって、会議のための資料作りの手間を減らし、より絞った内容での報告がしやすくなります。
(たまに勘違いしている人がいますが、起きたことを全て報告するより、要点を掴んで絞った報告をするほうが、準備に時間がかかります。要点を絞るのは手間とスキルが必要です)
 
この4つのルールは簡単です。習慣化も容易。得られるメリットとして参加意識を強くすることができ、それまで60分かけていた全体定例会議を30分に短縮することができる。20人の30分は10人時間で費用換算したら結構な額です。簡単な取り組みで、モチベーション向上に役立ち、コストも削減できるのなら、やらない手はないよな、と考えて実施しています。
スケジューラーに会議の予定を入れようとすると標準設定により60分と入ることも多く、会議は1回あたり60分というなんとなくもってる感覚があるかと思います。それを半分に圧縮することで時間に余裕ができる。それが参加者の多い全体会議ならコストベースでの利点も大きくなる。全体定例会議の進め方にもやーんとしている方は、何回か試してみてはいかがでしょうか?
 
(補足)
会議のあり方について、意識的に見直す機会も設けています。一度やり方を決めたらずっと同じやり方を踏襲するのではなく、より良いやり方を模索しつづけることも大切です。実際、現在の前半15分でサマリー、後半15分でグループ分けしてディスカッションの形式は、会議のやり方を見直したときにとあるメンバーの発想によって始まりました。
仕事において会議の占める割合は多いものです。その会議自体を効率的、生産的にすることはマネジメントの重要な仕事の一つです。